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バネブログ

板ばねはどこで使われているの?

板ばねとは

 一般的に「ばね」と聞いて皆さんが頭の中に思い浮かべるものは、金属線をらせん状に巻いた形のものを想像されるかと思います。しかし、一言で「ばね」といっても様々な種類があります。今回は多種多様なばねのなかでも「板ばね」についてお話したいと思います。

 「板ばね」はその名の通り、「板の形状をしたばね」です。様々な形、材質があり身の回りの多種多様シーンで使われています。実際に「板ばね」は、私たちの身の回りのどんなところで使われているのでしょうか。

こんなところにも「板ばね」が!

【金属板ばね】

 一般的にはばね性を持つ金属板材を加工して作ります。材料としては炭素鋼やステンレス鋼、銅合金、チタンなどが使われることが多いです。「板ばね」の中でも比較的薄い(厚さ2㎜以下)ものは「薄板ばね」と呼ばれ、組立作業者にとっても取り扱いが容易で、エネルギーの吸収能力も高く、製造加工も比較的自由度が高いといえます。

 書類を挟むダブルクリップも「板ばね」を使っています。挟み口をつまみで開いてそこから元に戻ろうとする力を使って書類を挟んでいます。

 スイッチボタンの中にも「板ばね」が使われます。ボタンを押した後元に戻ろうとする力を使ってボタンをもとの位置まで復帰させています。

 電池ケースの接点にも使われています。乾電池のプラス側接点を見ると板状になっていますが、電池を取り付けた後、元に戻ろうとする力で電池を固定しています。電池の接点として使う場合、通電性が高い素材(銅合金やニッケルメッキ材)を使うことが多いです。

 ピンセットやトングなども「板ばね」です。閉じるときに力を加えてものを挟み、力を抜くと元に戻ろうとする力で開くのです。

 爪切りも「板ばね」です。力を加えて刃を閉じることで爪を切り、手を離すことで元の状態に戻ります。

 時計やおもちゃに使われているぜんまいも「板バネ」の一種です。ぜんまいは巻くことでエネルギーを貯蔵し、解放すると徐々にエネルギーに変換されるので様々な機構に使われています。

 「板ばね」の一種として皿ばねという中心に穴が開いた円盤形の「板ばね」を円錐状に重ねたばねがあります。簡単に言うと、形状が底のない皿のようになっているばねです。これは自動車のクラッチや建物の免震構造などによく使われています。

 光洋でも作っている「クイックファスナー」も「薄板ばね」の仲間です。「クイックファスナー」は配管を接続するための部品で、ガス給湯器などに使われています。これまで溶接やロウ付け、ボルトでの締結が必要だった箇所をワンタッチで締結できる利便性から広く世の中で使われるようになりました。

 弓も板ばねといえます。弓本体が矢をつがえるとたわんで力を蓄えます。弦から手を離すと、弓本体に加えられた力が解放され、元の形に戻ることで矢が発射されます。

 大きめの「板ばね」ですが、電車のサスペンションには懸架ばねと呼ばれる板ばねを重ねたばねが用いられています。これがないと社内の揺れが激しくなり乗っていられないこととでしょう。

 ネジやボルトとともに使われる座金の一種バネ座金も「板ばね」の1種です。ボルトと部品の間で両側に力を加えることでボルトが緩むことを防いでいます。

 部屋の中にあるコンセントにも「板ばね」が使われています。プラグを差し込んだ時に簡単に抜けないのは、中でプラグの端子をばねの力で押さえているからです。またある程度の力を加えることでばねが変形することで、プラグを抜くことができます。

【非金属板ばね】

 金属以外の素材を材料とした板ばねもあります。樹脂、ゴムなどは代表的な非金属素材ですが、他にも木材やカーボン素材が使われることもあります

 プールの飛び込み板も「板ばね」です。先端で踏みしめることで、戻ろうとする力をジャンプ力に加えることで高く飛び上がることができます。

 ボールペンやシャープペンシルの根元についているクリップも「板ばね」です。ポケットの布を挟んで、戻ろうとする力で固定しているのです。

 リュックサックやウエストポーチに使われているバックルも「板ばね」の機構を使っています。外れている状態から押し込むことで引っ掛け部分が変形し、奥まで到達すると元に戻る機構で外れないようになっています。

 スキー板やスノーボードも「板ばね」といえます。スキー板が古くなってくるとばね性にへたりが生じてきます。へたりが生じるとターンの際に板がしなって押し戻す作用が弱くなり、ターンをするのにより大きな力が必要になってしまいます。古くなったスキー板は早めに交換するのがおすすめです。

このように様々な場面で「板ばね」が使われています。「板ばね」は生活に密着したものです。皆さんも一度身の回りの製品を観察してみて、どんなところにばねが使われているか探してみるのも面白いかもしれません。