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バネブログ

夏休みの自由研究~スプリングドラムで実験に挑戦!~

夏休みも残り半分ほどですが、お子さんやお孫さんの自由研究は終わりましたか?
題材探しに困っているなら「スプリングドラム作り」はいかがでしょうか。
今回は、精密ばねメーカーである当社が、「ばね」が付いている楽器を用いて自由研究に挑戦しますので、ぜひ参考にしてくださいね!

【目次】

スプリングドラムとは何か?
スプリングドラム作り
実験スタート!
実験結果の考察

スプリングドラムとは何か?

右の写真が実物で、斜めにカットされた筒に皮が張られ、長いばねが取り付けられています。こちらは打楽器の1つで、楽器を鳴らした時に、ばねの不規則な振動が音を生み出し、嵐のような音に聞こえます。そのため、サンダードラム、ストームドラムという呼び名も持っています。

風姿花伝~秘すれば花~(福島弘和)など吹奏楽の曲でも使われています。
※Youtubeで「スプリングドラム」と検索して一度音を聞いてみましょう!

スプリングドラム作り

今回は、ご家庭にあるものでこの特殊な楽器を作っていきます。

【準備するもの】

材料空き缶(茶筒、海苔の缶、
コーヒーの缶など)
ばね(もしくは針金)
小ネジ、ワッシャー、ナット、
ビニールテープ、厚紙
工具はさみ、ラジオペンチ、
缶切り、ドライバー、菜箸

・材料金額:500~3000円
どれも100円均一ショップでそろえることができ、ネジ・ワッシャー・ナットがセットで売られている店舗もあります。ばねに関しては、針金で手作りをしなくとも、ホームセンターで2~3000円で購入することもできます。

【作り方】

➀空き缶が筒状になるように、缶切りで蓋の部分を完全に切り離す。

※怪我防止のため、保護者監修のもと作成してください。

➁缶の大きさに合わせて厚紙を切り抜く

缶のふちに沿わせる部分を作るため、印より大きめに切りましょう。

➂ばねがなければ、菜箸に針金を巻き付けてばねを作る。

当社はばねのメーカーなので、今回の実験に使われるばねは全て社内で作成したものです。ご家庭で用意する場合は、菜箸のような細長いものに針金を巻き付けてばねを作ってみてください。

➃ワッシャーを通した小ネジに、ばねの片方の端を巻まきつけ、ワッシャー・ばね・厚紙・ナットの順に差し込み、ナットを締める。

画像では厚紙に穴をあけ、ばねを一巻き分差し込み、テープで取り付けています。

➄ばねを付けた厚紙を、缶切りで開けた方の口にビニールテープで留める。

厚紙をふちに沿って曲げて跡をつけ、厚紙がピンと張るようにテープで留める。缶との隙間が気になる場合はテープを張る箇所を増やす。

作ったものを実際に鳴らすと…

音が鳴りました!

【音が鳴る理由】

缶を揺らすと、同時にばねも伸び縮みします。その振動が厚紙に伝わり、さらに缶の内側まで到達することで音が響く仕組みになっています。
不規則なばねの連続した伸び縮みの振動が風のような残響音と、ばね自体が上下左右に動く直接的な音が組み合わさることで嵐のような音が生まれています。

実験スタート!

単純に見えるこの工作ですが、筒やばねの条件を変えると音が変わり、研究のしがいがあります。今回は最初のものに加え、別の3種を作って比較してみました!

種類海苔の筒携帯灰皿お菓子の筒お茶の缶
6.5㎝7.5㎝7㎝11.5㎝
高さ21㎝10㎝14㎝15㎝
ばね長さ35㎝34㎝33㎝60㎝
ばねのとめ方テープネジ止めテープテープ

■実験①「海苔の筒」 

最初に作ったものです。
紙やばねが動く直接的な音もしていますが、初めて筒の中に共鳴している音が鳴りました。こちらが先ほどの動画に登場したスプリングドラムです。
こちらと他のものを比較してみましょう。

■実験②「100円ショップの携帯灰皿」

【結果】

紙が動く音がするだけで、嵐のような音には程遠い状態でした。
また、何度か音を出していたら壊れてしまい、耐久性にも問題がありました。

【実験のポイント】

・工場の備品を使用したため、一つ一つの部品が太く重い丈夫なものだった。
・ばね自体の重さと、ばねを留める部品の重さで紙が引っ張られ、ピンと張った状態をキープできなかった。

■実験③「お菓子の筒」

【結果】

筒とばねの留め方を変更しました。実験➁よりは音が鳴りましたが、音量が弱い状態です。

【実験のポイント】

・音量が小さいのは、ばねの振動が不足しているからだと考えられる。
・ばねの動きを大きくするためには、柔らかいばねの方が向いていると思われる。
・紙製の筒では音が小さく、金属製の缶の方が音を反響し、こもった音が鳴りやすい。

■実験➃「お茶の缶」

【結果】

今までの実験で使用したばねの2倍ほどの長さのものを用意しました。これを振ってみるとなんと宇宙空間のような音に!

【実験のポイント】

・スプリングドラム本来の、こもった音はあまり鳴っていない。
・柔らかく長いばねの独特な動きが音に変化を与えている。
・筒の径は小さい方が響きやすいと思われる。

実験結果の考察

このように、筒やばねを変えるだけで、音の鳴り方や響き方が全然違うものが出来上がりました!どうしてこのような違いができるのか、ばねのプロである当社の製造部の人に聞いてみました。

「製造部長よりコメント」

実験➀のスプリングドラムは、ばねが荒々しく大きな幅で動いているのに対し、実験➃では、ばねが小さな幅で多く波打っています。この2つの大きな差はそこにあると思います。実験➀では大きく低い音、➃では小さく高い音が鳴っており、ばねの動きと音の波形に関係があると推測されます。
楽器に使うばねを作ったことはなかったので、今回の実験への協力はおもしろい経験になりました。皆さんも楽しんで作ってみてください。

この実験を通し、スプリングドラムの音をうまく鳴らすには、ばね、筒、紙の3つの条件が不可欠だと思いました。振動を起こしやすい長くて柔らかいばね、金属製である程度の大きさ・長さのある筒、均一に張られた状態の紙、これらを守れば低い音から高い音までアレンジの幅が広がると思います。

筒やばねを変えてオリジナルのスプリングドラムを!

スプリングドラムを作成する上で、ネジをテープに置き換えて軽量化するなど、参考先とは異なる、オリジナリティのあるものができあがりました。
皆さんも手元に用意できる材料で試行錯誤しながら、いろんな条件のスプリングドラムを作ってみましょう!

日常生活にはたくさんのばねが潜んでいます。ばねはどれも似たような形に見えるかもしれません。しかし、今回の実験結果からわかるように、長さや太さなどの少しの違いで、周囲に大きな影響を与える部品です。当社では、お客さまの求めるばねの細かい仕様まで対応し、開発していきます。

株式会社光洋は、「つなぐ」「とめる」「しめる」などの様々な用途に使われるばねでお客さまのご要望にお応えします。お困りごとがございましたら、ぜひお気軽にご連絡ください。
お問い合わせ https://koyo-co.co.jp/contact/

【光洋SNS公式アカウント】

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参考サイト
https://www.hitachi.co.jp/kids/event/summer2014/
craft/detail_02.html