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バネブログ

板バネ(薄板バネ)について

「板バネ」とは、板状の材料を用いたバネの総称です。
形状的に分類すると「重ね板バネ」「薄板バネ」に区分されます。

板バネ(薄板バネ)の形状による分類

重ね板バネの分類

・鉄道車両、自動車の懸架バネ(※1)に利用されている。

・素板間(そばんかん)の摩擦により振動を減衰(げんすい)出来る。

※1 懸架バネについて
サスペンション(: Suspension)または懸架装置(けんかそうち)は、主に車両において、路面の凹凸を車体に伝えない緩衝装置としての機能と、車輪車軸の位置決め、車輪を路面に対して押さえつける機能を持つことで、乗り心地や操縦安定性などを向上させる機構。その他の機械類における、防振機構(インシュレーター)のことを指す場合もあります。

また、重ね板バネについては次のような種類で分類されます。

「だ円重ね板バネ」→両側から重なった、だ円板バネ

「半だ円重ね板バネ」→片側のみの半だ円板バネ

「対称重ね板バネ」→センターボルトがバネの中心にある板バネ

「非対称重ね板バネ」→センターボルトがバネの中心にない板バネ

「テーパーリーフスプリング」→異なる長さの板パネルを重ねたサスペンションであるリーフスプリングのうち、板厚を中央が厚く両端が薄くなるように加工することによって応力の均等化を狙ったもの

薄板バネの分類

 ・薄い板状の材料を用いた各種形状のばねを指す。

 ・板厚が1㎜前後までを最大とした物を薄板バネと称する。

※締結を目的とした各種形状のばねを「ファスナーバネ」と形状分類しますが、この中にも薄板バネを用いた物が多くあります。

 ″クイックファスナー″は、その代表的な物の一つです。

【クイックファスナー(Quick Fastner)について】
流体を流す配管同士の接続部分を固定する留め具として使われる部品(薄板バネ:ファスナーバネ)です。 主に水通路部配管の継手部に使用される部品で、以前は板金プレス部品をネジなどで固定する方式、袋ナットで締め上げる方式でしたが、 メカ機構部の組立ライン仕事では、取付の容易さと確実性が好評で広まりました。最近では、住宅外配管部の給水・給湯設備の水通路分岐させる箇所への使用ほか、耐水圧を気にする事の無い、排水管接続部にも専用工具を必要としない為、手で簡単にまた、工具を取り回すスペースがない狭い箇所でも着脱が容易なことから、清掃および、メンテナンスを簡単目的で使用される等、使用箇所の幅が広がってきています。クイックファスナーは、ワンタッチで簡単・便利に着脱できるのが特長です。

薄板バネについて

薄板バネの加工

薄板バネと呼ばれている製品の多くは、平板ないしはフープ材に打抜加工、曲げ加工、つぶし加工などを加えることによって造られます。

薄板バネの板厚範囲は、明確には決められていませんが、一般的に板厚1㎜前後までの板ばねを薄板バネと称しているようです。

薄板バネには、炭素鋼では、JIS G 3311に規定されている、みがき特殊帯鋼のうちの、S50CM~S70CM、SK85M、及びJIS G 4802のばね用冷間圧延鋼帯を用いる。また、ステンレス鋼ではJIS G 4313のばね用ステンレス鋼帯を用います。非鉄関係の材料も鉄鋼と同じ様にJISに規定されています。

ばね用ベリリウム銅、ばね用りん青銅、ばね用洋白の板、ないし条が用いられることもあります。

これらの材質の選定にあたっては、それぞれの製品の使われる用途、機能、経済性などを考慮して決められます。

薄板バネとしては、曲げ形状を利用して、バネ特性を出すものが多く、加工後に適正な熱処理を施し、製品によっては鍍金(めっき)や化成皮膜処理をして使用されます。

薄板バネの種類は、・皿ばね ・ばね座金 ・歯付座金 ・C形止め輪 などの規格品をはじめとして種類は非常に多く、製造はプレス機械やマルチフォーミングマシンを使って行われています。作業内容(加工内容)から見ると、打抜加工、曲げ加工がほとんどです。

化成皮膜処理について

酸又はアルカリ性水溶液を用いて無電解で生成した皮膜(化学皮膜ともいいます)。 化学的処理によって金属表面に酸化膜や無機塩の薄い皮膜を作り、金属の防錆や塗装下地とする処理があり、例として「クロメート処理」「リン酸塩処理」などが挙げられます。

マルチフォーミングマシンについて

鋼板を必要な板幅にスリッターし、ロール状に丸めた材料フープ材(コイル材)から、一定のピッチで素材を送る「フィード装置部分」、送られてきた材料を打抜き加工を行ったりする「スタンピング装置部分」、円盤状に多方向からベンディングスライドに取り付けた曲げツールによって、複雑な曲げ加工成形を行うフォーミング装置が連動構成された塑性加工機です。

薄板バネの形状

長方形断面の片持ちバネが基本で、U字形状になったもののほかに広範囲の形状に渡る形状のものがあります。
規格品に多いのは、ホースクランプ(クレセントクランプ)・スプリングピン・皿バネ・バネ座金(スプリングワッシャー)があります。

波ワッシャ
接点板バネば使用されている電池ケース
接点板バネば使用されている電池ケース

また、電気をつなぐリレースイッチ部に使用される、自己の接触部に接触力を加えるためのバネとして、非鉄関係の材料(ベリリウム銅・りん青銅)を使った〝接点・リレーバネ類″もあります。

また、締結を目的としたスプリングナット類等の″ファスナーバネ″も代表的なものです。

株式会社光洋は、その使用勝手、機能を目的として設計・開発からご提案、最も数多く手掛けている薄板バネメーカーの一つです。