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バネブログ

ばねの歴史(前編)

最初のばね

ばねは、普段あまり目にすることがない部品ですが、古くから私たちの生活に密接に関わっており、ねじの次に使用頻度の高い機械要素と言われています。現在では、自動車や自転車からデジタルカメラ、ボールペンはたまた書類を留めるゼムクリップといった身近な機械製品、精密機器から日用品にいたる様々なものに使われています。

その起源は、はるか昔人類が狩猟をしていた時代にまで遡ります。狩りをするために利用していた罠や弓。これらは弾力性を応用したものであり、ばねそのものといえるものになります。しかし、この時代には「ばね」という言葉はおろか、概念すら存在していませんでした。

「ばね」というものが認識されたのは紀元前250年前後。ギリシャの数学者フィロンが「師のクテシビオスが曲がった青銅版を重ね合わせて、ばねとして利用した投射装置(カタパルト)を作り出した」と書物に記しました。これが概念として最初に登場した「ばね」といえるでしょう。

フックの法則

それから長い年月が経ち、1678年、ばねにとって非常に重要な法則が発見されます。
ばねの伸びと荷重は比例する、という「フックの法則」です。イギリスの科学者ロバート・フックが提唱したもので、ばねに限らず、弾力性のあるすべての物体に適用される非常に普遍的で重要な発見でした。
ちなみに、この研究の成果として、ぜんまいばねを使った携帯型の時計が開発されるようになりました。

ロバート・フック
wikipediaより
ロバート・フック
wikipediaより

偉大なる先人

フックはこの他にも、細胞を最初に顕微鏡で観察したり、化学者ロバート・ボイルの助手として真空ポンプの製作をしたり、望遠鏡を作って火星や木星が自転していることを観察したり、化石を研究して進化論を唱えたり、光の屈折について研究したりと、その活動の範囲は多岐にわたっていました。さらには、建築家としても有名で、ロンドン大火の際に、焼け跡のほぼ半分を測量し、復興計画にも携わったと言われています。その活動範囲の広さから、彼のことを『ロンドンのレオナルド(レオナルド・ダ・ヴィンチ)』と評する歴史家もいたほどです。

今年、2023年の3月3日はロバート・フック没後320年になります。 私たち光洋も、ばねに関わるものとして、偉大なる先人たちの積み重ねた発見や研究に敬意を払い、そしてさらに高く飛躍できるよう日々、努力してまいります。