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バネブログ

クイックファスナーはどうやって作っているの④

金型製作

部品図が出来れば金型製作になります。
薄板ばねの加工として使用するフォーミング・マシンは、穴抜き・切断加工を行うプレス部と成形加工を行うフォーミング部から成り立っています。そのそれぞれに金型が必要となります。

金型は大きく分けて、
① ガイド
② ダイセット(プレス)
③ フォーミング関連部品
の3種類があります。今回はそれぞれを簡単に紹介していきます。

①ガイド

ブランクガイド
ブランクガイド

その名の通り、材料や切断後のブランクの通り道の役割を果たす金型になります。複数の種類があり、切断前の材料の通り道となるフィードガイド(2枚)や、ブランクが通る溝がついたブランクガイド(写真・2枚)などがあります。それぞれのガイドには全て蓋となる上部分もあり、上下セットで用意します。

②ダイセット部品

ダイセットとは、穴抜き加工のためのパンチやダイといった細かい部品を取り付けるベースになる部品のことです。
ここに取り付けるのが、穴をあけるための凸型の「上型(パンチ)」、それを受ける凹型の「下型(入れ子)」、パンチを固定するためのホルダ及びプレート、刻印受けプレートなど様々な金型になります。

ダイセット
ダイセット

パンチと入れ子の関係性について

長穴パンチ、入れ子セット
長穴パンチ、入れ子セット

動いて切るのが「パンチ」それを下で受けるのが「入れ子」で、動作の仕組みとしては書類に穴をあけるパンチと同じものになります。

ただし切断するものが金属となるため、板の厚さにもよりますが、パンチの刃との入れ子の穴が同じ寸法になっていた場合、刃先と刃先の間に一切の余裕が無いと切る際に材料に強烈な負荷が掛かり、パンチの欠けや切断面の異常、バリの発生などトラブルが起こりやすくなります。
そのため、刃が斜めになるように角度をつけ負荷を軽減するなどの工夫を行っています。

③フォーミング関連部品

マルチフォーミング・マシンに取り付ける金型のことで、さらに細かく分けると「曲げツール」「心金」「コアホルダー」「蹴り出し」「リアツールホルダー」「カム」があります。
これらは、ワイヤー放電加工機を使い、形状通りに部品を作っていきます。
形が出来てからは、それぞれの部品の仕上げにかかります。

フォーミング関連部品
フォーミング関連金型

ここまでがクイックファスナーを生産する為の部品の準備になります。
一般的に、金型に求められる条件としては「加工中の衝撃や負荷に対して十分耐えられる強度であること」「使用中にゆるんだり、がたが生じたりしない構造と取り付けであること」「切刃の再研磨など、メンテナンスがしやすい構造であること」などがあります。
それらの条件はクイックファスナーの品質の高さにつながるため、金型製作は非常に大切な工程になります。