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「金属ばね製造技能士」実技試験解説 ~薄板ばね編~

「ばね」は「弾性や変形によって蓄積されたエネルギーを利用する機械要素」と定義され、文房具や自動車など、大小さまざまな製品に使われています。その品質は、それが組み込まれる製品の品質に直結する大切な要素といえます。
「金属ばね製造技能士」は、そのばねの製造技能が試される国家検定制度で「薄板ばね」と「線ばね」という製造作業ごとに区分されており、それぞれ1級と2級に分かれています。

当社をはじめ、ばね製造会社で働く者にとってとても重要な資格といえるこの「金属ばね製造技能士」。その実技試験問題の公表日が間近ということで、今回はこの資格を持つ社員に薄板ばねの試験内容について聞いてきました!
初めて受験する方も、過去に受けた方も当社マスコットの「こいるん」と一緒に勉強していきましょう!

金属ばね製造技能士試験 基本情報

日程 2024年度実技試験問題の公表2024年11月28日
実技試験日2025年1月頃
※日時・場所は、受験票の送付により通知されます。
学科試験日2025年2月9日
合格発表日2025年3月14日
受験資格【2級】実務経験年数が2年以上あること
【1級】7年以上の実務経験、または2級合格後2年以上の実務経験

板ばねの実技試験Q&A

金属ばね製造技能士の実技試験でつまずきやすいポイントをQ&A形式で紹介していきます。

Q1:ばねの模型を図面通りに作るポイントは?

A:この製作等作業試験で問われているのは「図面を見て製品の形状を把握出来ているか」ということです。
図面は基本的に第三角法を用いる事が多いため「第三角法を理解できているか」という事となります。
第三角法の図面を正しく読むには、図に使用されている線の種類を理解することが重要です。

特に試験で重要なのは破線(隠れ線)で、文字通り図面対象方向から見た時に隠れている線のことを指し、読み取るには想像力が必要になります。
練習方法としては、色んなばねの図面を、まずは紙でも良いので立体を作ってみることです。ブランク形状を作り、曲げを行い、図面と照らし合わせるなど、図面通りの正しい立体にできているかを意識して取り組んでください。

Q2:練習と本番での違いは?

A:試験本番で使用するハンドプレスや治具は、普段の練習で使っていたものと消耗の程度が異なるため、実際に使用すると練習通りの寸法が出ないことがあります。


この寸法変化に対処できるようなるためには、普段の練習から対策を立てておくことが重要です。

基本的に、ハンドプレスでの手作りは、狙い値通りの寸法で切断・曲げを行い、製品形状に仕上げていくものですが、本番での寸法変化対策として、スキマゲージの抜き差し等によりあえて狙い値を変化させ、どのような方法をとれば値がプラスもしくはマイナス側に変化するのかを把握します。
こうすることで、試験本番で狙い値と違った値が出た時にも、治具に左右されることなく狙った値に近づけられるような対応がとれるようになります。

Q3:トラブルが発生した場合は?

A:試験本番でただでさえ緊張する中、トラブルにあってしまうと動揺して頭が真っ白になってしまうかもしれません。
実際に私も
 ・自分が使用する治具が合っていない
 ・配布されたブランクの枚数が合っていない
 ・曲げ治具を止めるセットボルトが締まらない
といったトラブルを経験したことがあります。

そのような場面に遭遇した際には、慌てず冷静に状況を捉え、ゆっくり手を挙げてトラブルの内容を試験官に伝えてください。その対処に掛かった時間の分は延長してもらえるので、焦る必要はありません。
「ここは自分が今までに練習・勉強してきた成果をどれだけ発揮できるかの場だ」と捉えて、トラブル対処の後は仕切り直して試験に集中してください。
大事なのは普段からの「練習量」です。作業を体感で覚えていれば怖くありません!

試験に向け練習に励む社員

いかがでしたか?内容をまとめると、日々の練習が本番のトラブルや迷いを取り除いてくれるということでした。紙で図面通りの模型を作る練習など、皆さんが練習する際にも参考にしてみてくださいね。

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