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暖房器具に使われるばね

当社のある東大阪では10月に入り、ようやく秋らしい気候になってきました。とはいえ、北海道や東北地方ではもうストーブを出しているところもあるようです。「まだ秋になったばかり」と油断していると一気に気温が下がり、冬がやってきそうですね。
今回は、そんな冬を先取りして、暖房器具に使われているばねをご紹介します。

➀湯たんぽ

電気代のかからない暖房器具

湯たんぽは、お湯を入れるだけの手軽で便利な暖房器具のひとつです。寝る前に布団に入れておけば、温かいまま寝床につけ、朝まで快適に眠ることができます。
どちらかというと古臭いイメージのある湯たんぽですが、最近では軽量化されたプラスチックのものや、レンジで温めて使うもの・充電式でお湯を使わないものなどもあり、光熱費が高騰する中、電気代がかからない暖房器具として再び注目を集めています。

湯たんぽのデメリット

そんな湯たんぽには、使用する際にお湯を使うため、やけどなどの事故が起こりやすいというデメリットもあります。
現在では、お湯を使わないものも登場していますが、関連する事故情報は5年間※で100件以上寄せられているそうです。

※平成27年11月~令和2年10月 (消費者庁 事故情報データバンクより) 

中には「湯たんぽに水を入れて蓋を締めたまま直接加熱する」ことで発生する事故などもあるそうです。
それを防ぐべく、SGマークの付いた湯たんぽには「安全弁」がつけられました。万が一蓋を締めたまま加熱しても、1回程度※なら蒸気を逃がして本体が破損しないようになっています。

※繰り返し加熱すると安全弁が機能しなくなることがあるため、必ずメーカーの指示に沿った使用をしてください。

事故を防ぐ安全弁のばね

ばねの種類押しばね
長さ自由長約10㎜
用途安全弁の機構部品
※左の画像に似た形状をしています。

この「安全弁」に光洋のばねが使われています。
開発当初、メーカーは適切に蒸気を逃がすことのできる安全弁を設計することに苦労していました。その理由は、安全弁に使用するばね部品は、ばねの単純な「強さ」に加えて、弁の構造内にうまく組み込めるような「大きさや形状」にも配慮する必要があったからです。この問題を解決するため、メーカーから光洋に相談があり、製品の開発に着手することとなりました。

その後はメーカーの要求を満たすために、安全基準の合格、数値化が難しい押し心地や、弁の内部に取り付けられる形状の設計など、複数の試練を乗り越えてきました。
机上計算だけでなく、実際の安全弁に組み込んでの比較評価を実行した結果、ついに製品化に至りました。

ばねの種類線加工品
長さ線径3.5㎜
用途蓋の取っ手

この他にも、当社では取っ手に使われるばねも作っています。
こちらの部品は、お湯を入れた後の湯たんぽを直接触らず、指をかけて袋に入れられるような形状を担っています。

ポイントは、
・指をかけやすいこと
・倒して湯たんぽに沿わせたときにもフィットすることです。
このように、湯たんぽのばねひとつとっても、使い方に合わせた工夫がされています。

➁こたつ

櫓炬燵とは

冬の代名詞ともいえる「炬燵」ですが、天板に赤外線ヒーターが付いたものを思い浮かべる方も多いと思います。置き炬燵には櫓炬燵 (やぐらこたつ)と呼ばれるものがあるのをご存知でしょうか?
やぐらこたつは、囲炉裏の上にやぐらを組み布団をかけたものが起源で、戦後は熱源が電気ヒーターに置き換わりました。そこに当社のばねが使われているのです。

電気炬燵の問題点

ばねの種類コイルばね
長さ約50㎜
用途電源コネクターの保護
※左の画像に似た形状をしています。

その電気ヒーターに接続するコードの根元には力が掛かりやすく、断線しやすい構造という欠点がありました。電源コネクターの断線は火災などの事故に直結するため、対策を打つ必要が出てきました。
付け根部分を強化するには何が必要なのか検討され、保護部品として最適な形をした金属のコイルばねが登場しました。この部品には、こたつ内部の高温環境でも劣化しない、コードに沿って使用中邪魔にならないことが求められました。性能を追求した結果、現在ではより熱に強い樹脂製の保護部品に置き換わっていきました。

暖房器具に使われるばね

ここまで湯たんぽとこたつに使われているばねを紹介しましたが、いかがでしたか?
暖房器具は熱を発するため、当然耐熱性が求められます。加えて、変形などにも耐えられる性能が必要ということが明らかになりました。光洋では、製品の設計から製造までの工程を担うため、耐久性などの悩み事も承っています。また、今回は登場しませんでしたが、板ばねの製品も数多く、製造していますので、そちらを紹介するブログも併せてご覧ください。

株式会社光洋は、「つなぐ」「とめる」「しめる」などの様々な用途に使われるばねでお客さまのご要望にお応えします。お困りごとがございましたら、ぜひお気軽にご連絡ください。

お問い合わせ https://koyo-co.co.jp/contact/

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